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世界を構築する絶対的なルールに則って、あらゆる存在は定義される。
 けれども、現存するそのルールを定めた存在は曖昧で、だからこそ、定期的に現れる新種に対しての適応は愚鈍を極める。
 それは、世界の歴史が証明していて。
 だからこそ、自分たちはいつまで経っても『異端』のままで。
 こうして手を伸ばした先にあるのは、何時だって互いのものでしかなかったから。

「…そうだよ、俺は怖かったんだ」

 繰り返される、痛みを伴うゲーム。

「新一だけが居ればいい。それ以外に何もいらない」

 ルールを無視するつもりなんかなかった。
 ルールの方で自分たちを拒絶しただけだ。

「貴方たちはそうして孤独に慣れようとするのね」

 混迷を極める世相の中、距離を超え混沌を孕み。

「…僕たちに出来ることなど、多くはありませんよ」

 『世界』の悪意を滲ませても。

「コーディネイト・ヒューマンの可能性の論議など無意味だわ。デザイナーズ・チャイルドだってそう。
…ヒトはヒト以外にはなれないから」

 それでも此処にある温もりだけは、間違いでないと信じたいから。

「俺は独りでいい。何も望まない。
独りのままで護れるなら、それで構わない」
「生きてるんだ、なのにどうして諦めなくちゃならない?」
「愚か者ばかりよ、世界なんて」
「誰も知らないのなら、誰がその罪を裁けると言うのです?」
「見下ろすなんて錯覚よ。私はいつでも見上げていたから」

「…でも」

 幕が開ける。
 あらゆるすべてを混在した、電脳領域最大のカーニバルの幕が開ける。
 其処にあるものが悲しみだけでも、痛みだけでも、誰の中にも傷を残すとしても。

 否応無く。
 幕は…上がる。

cage. next story....[ game ]




2005.09.05.

H O M E *